【企業担当者向け】入社手続きに必要な書類や対応は?パート等の手続きについても解説
【目次】
|
内定者に送付する書類
採用通知書(内定通知書)
企業に採用する意思がある場合、内定者宛に採用通知書を送付します。これは、企業の採用意思を伝えるとともに、内定者の入社意思を確認することが目的です。後述する入社承諾書と誓約書を作成して、採用通知書と合わせて送付することが一般的です。
採用通知書には、主に以下の内容を記載します。
採用通知書に記載する事項 |
|
入社承諾書・誓約書
内定者が入社に同意する場合、氏名の記入と捺印をして提出してもらいます。
入社承諾書・誓約書に記載する事項 |
|
この時点で辞退の連絡を受けた場合は、あらためて求人募集の準備を進めます。
入社前に送付する書類
雇用契約書
労働条件通知書
労働基準法の第十五条には以下の記載があります。
引用:e-Gov法令検索「労働基準法」
絶対的明示事項の内容
労働条件通知書に記載する内容には、書面で交付する義務がある「絶対的明示事項」と、口頭でも明示可能な「相対的明示事項」があります。
絶対的明示事項とは、以下の内容を指します。
書面の交付が必要な明示事項 | 具体的な内容 |
労働契約期間に関する説明 | 契約期間があれば明示 |
就業場所と業務内容に関する説明 | 入社後の就業場所・従事する業務 |
労働時間に関する説明 | 超過勤務の有無・休憩時間・休日・休暇・交代制勤務の転換 |
賃金に関する説明 | 賃金の決定・計算方法・支払い方法・支払時期・賃金の締め切り・昇給(※1) |
退職に関する説明 | 退職の事由・手続・解雇の事由も含む |
労働者が希望した場合に限り、ファックス・メール・SNS(※2)でも交付できます。その際、送信した内容が確実に届いているかを確認することが望ましいでしょう。
(※2)労働者がプリントアウトして書面を作成できるものに限る
2024年4月~労働条件明示事項が追加されました
相対的明示事項の内容
企業で相対的明示事項に関する定めがある場合は、労働者に対して明示する義務があります。
相対的明示事項の内容は以下の通りです。
口頭でも説明可能な明示事項 | 具体的な内容 |
退職手当に関する説明 | 該当する労働者の範囲・手当の決定・計算方法・支払い方法・支払い時期 |
臨時の賃金と賞与に関する説明 | 臨時の賃金、賞与における賃金と最低賃金額 |
労働者が負担する費用に関する説明 | 食費・作業用品・その他 |
安全と衛生に関する説明 | - |
職業訓練に関する説明 | - |
災害補償に関する説明 | 災害補償・業務外に発生した傷病扶助 |
表彰と制裁に関する説明 | - |
休職に関する説明 | - |
口頭のみでも説明は可能ですが、労働条件に関するトラブルを防ぐためにも書面に残しておくことをおすすめします。
参照:厚生労働省「主要様式ダウンロードコーナー(労働基準法等関係主要様式)」
入社に必要な書類
提出が必要な書類
提出書類
|
備考
|
年金手帳
|
全員提出
|
源泉徴収票
|
前職がある場合
|
雇用保険被保険者証
|
前職がある場合
|
扶養控除等申告書
|
全員提出
|
健康保険扶養者異動届
|
該当する家族がいる場合
|
給与振込先申請書
|
全員提出
|
マイナンバー(カード未取得の場合は本人確認書類と、通知カードもしくは住民票が必要)
|
全員提出
|
状況に応じて提出が必要な書類
提出書類
|
備考
|
卒業証明書
|
新卒・第二新卒
|
住民票
|
住民票記載事項証明書でも代用可能
|
退職証明書
|
前職がある場合
|
入社後の手続き
社会保険の手続き
- 労働者から年金手帳またはマイナンバーカードを提出してもらう
- 提供された労働者の情報をもとに「被保険者資格取得届」を年金事務所に提出する
- おおむね1週間前後で「健康保険被保険者証」が届く
- 健康保険被保険者証を本人に渡す
雇用保険の手続き
- 31日以上継続して雇用される見込みがあること
- 所定労働時間が週に20時間以上
- 労働者を雇用した月の翌月10日までに「雇用保険被保険者資格取得届」をハローワークに提出する
- ハローワークから「雇用保険被保険者証」が届く
- 雇用保険被保険者証を本人に渡す
税金の手続き
労災保険の手続き
法定三帳簿(労働者名簿・賃金台帳・出勤簿)の作成
帳簿名称
|
記載項目
|
保存期間
|
労働者名簿
|
氏名、履歴、退職・解雇・死亡日とその理由 など
|
労働者の退職・解雇・死亡日から3年
|
賃金台帳
|
氏名、賃金の計算期間、労働日数、労働時間数 など
|
記入最終日から3年
|
出勤簿
|
出勤簿、使用者が始業時刻と終業時刻を記載した書類 など
|
最終出勤日から3年
|
備品や貸出物の手配
- 制服や作業服
- 社員証、セキュリティカード、名刺
- 机とイス、パソコン、事務用品、ロッカー など
人事管理システムへの情報登録
【労働者の種類別】通常の入社手続きとの共通点・相違点
派遣社員の入社手続き
- 派遣会社に派遣を依頼する
- 派遣期間の制限を受ける(※)場合は「抵触日通知書」を送付する
- 派遣会社と「労働者派遣契約」を結ぶ
- 派遣される社員の情報を記載した「派遣先通知書」が派遣会社から届く
- 契約期間の初日から就業開始
パート・アルバイトの入社手続き
- 昇給の有無
- 退職手当の有無
- 賞与の有無
- 相談窓口
パート・アルバイトの社会保険
- ※101人以上の従業員が在籍する企業
- 1週間の労働時間が20時間以上
- ひと月の賃金が8.8万円以上
- 勤務期間が2か月以上(見込み)
- 学生は対象外(夜間・通信・定時制は対象)
外国人の入社手続き
- 日本国籍を持たない(特別永住者は対象外)
- 在留資格が外交・公用以外
雇用保険に加入する場合 |
雇用保険に加入しない場合 | |
届出書類 | 雇用保険被保険者資格取得届 | 外国人雇用状況届出書 |
届出事項 |
・氏名
・在留資格
・在留期間 など
|
・氏名
・在留資格
・在留期間
・雇用年月日 など
|
届出先 | 雇用保険を適用している事業所のハローワーク | 勤務地のハローワーク |
届出期限 | 労働者を雇用した月の翌月10日まで | 労働者を雇用した月の翌月末日まで |
- 在留カード
- パスポート
- 資格外活動許可書(資格外活動許可を受ける場合)
高齢者の入社手続き
障害者の入社手続き
- 特定求職者雇用開発助成金
- トライアル雇用助成金
- 障害者雇用納付金制度に基づく助成金
また、高齢者と同様に「障害者雇用状況」を毎年ハローワークに報告する義務があります。
※令和6年4月以降、障害者の法定雇用率が2.3%から2.5%に引き上げられました
まとめ
Esia-Zero(イージア・ゼロ)を使って入社手続きを効率的に
社労法務システムとの連携ツールであり、合わせて使うことで情報収集から申請までスムーズに行えて、業務の大幅な時短&効率化を図ることができるシステムです。
資料請求はこちらから
HR-GET編集部
「人事、労務、手続き、働き方改革、トラブル」などに関するものをテーマとし、人事・労務に関わるビジネスに日々奮闘する、多忙な経営者や人事・労務の担当者に役立つ情報を提供します。