【企業担当者向け】給与所得控除とは?計算方法や控除の種類について
給与所得控除とは、給与から一定金額を差し引くことができる控除額の事ですが、詳しくは知らないという方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、給与所得控除について詳しくご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
更新日:2024年10月28日
【目次】
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給与所得控除とは?
給与所得控除とは、会社員やアルバイトなど給与所得者に適用される控除の事で、所得税などの計算のベースとなる給与所得額を求めるときに、働いた一年間の給与などの収入額に応じて差し引かれるものを言います。
個人事業主の場合は、売上から経費を差し引くことにより事業所得を計算するのですが、企業に勤める従業員の所得を同じような計算方法で求めようとすると、通勤する衣服や鞄などの経費を一つひとつ計算することになってしまうので、企業が従業員一人ひとりにこのような手続きを取るのは複雑で現実的ではありません。
そのため、給与所得控除で、給与所得者の年収に合わせて一律に金額を計算します。
このように給与所得控除では、従業員と個人事業主との税計算上の公平さを保つ働きと、企業で多数働く従業員の給与所得控除を一律で計算することによって、税処理を簡単にする働きがあります。
アルバイトの給与所得控除について
アルバイトも会社員と同じように給与所得のため、給与所得控除の適用があります。
しかし、収入が130万円に満たない場合は、所得税がかからないこととなります。
計算方法
では、給与所得控除の計算方法はどのようなものなのでしょうか。
給与所得控除の計算方法を見ていきましょう。
給与所得控除は、雇用形態や勤務形態、職種などに関係なく、一年間の給与収入の金額を元に計算されます。
この計算方法で使用される給与収入は、基本給とボーナス、各手当などの現金支給と、現物支給の両方を合わせた金額となります。
しかし、給与に加算して支給される月額10万円以内の制服代や交通費、出張旅費、企業の社内規定に基づいて支給されるお祝い金やお見舞金などは含まれないため注意が必要です。
給与所得控除の計算方法はその年度ごとに更新されるので、国税庁のホームページでその都度確認することをおすすめします。
こちらでご紹介するのは2020年分以降の給与所得控除額の計算方法です。
2018年度の税制改正を受け、2020年1月からの基礎控除の引き上げと給与所得控除の引き下げが決定したため、以前と変更もあるので注意しましょう。
給与収入 | 給与所得控除額(改正後) |
1,625,000円以下 | 55万円 |
1,625,001円超~180万円以下 | 収入金額×40%-10万円 |
180万円超~360万円以下 | 収入金額×30%+8万円 |
360万円超~660万円以下 | 収入金額×20%+44万円 |
660万円超~850万円以下 | 収入金額×10%+110万円 |
850万円超 | 195万円(上限) |
基礎控除、所得控除など控除について
次に、基礎控除や所得控除など、控除について控除額などを確認していきましょう。
基礎控除とは?
基礎控除は、所得税や住民税などの計算をする際に、従業員の所得から一律で差し引かれる所得控除の種類です。
控除は差し引くという意味を持ち、所得控除は所得から一定の金額を差し引くという意味になります。
所得控除は14種類あり、原則として納税者の事情に沿って、適用されるか、控除額はいくらか、などが変わります。
所得控除とは?
次に、所得控除についてご紹介します。
所得税はたとえ同じ所得金額でも納税者の個々の事情にとって税負担を調節します。これが所得税で、所得税には以下のものがあります。
詳細は、国税庁ホームページ、No.1100 所得控除のあらましをご確認ください。
まとめ
2020年からは、給与所得控除が一律10万円引き下げられることになり、基礎控除額が適用要件が設定された上で、最大48万円に引き上げられることになりました。
所得控除は、確定申告や年末調整で自分から申請をしなければ控除が受けられません。
また、会社員の場合でも、医療費控除や寄付金控除、雑損控除などについては年末調整で調整しないため、ご自身で確定申告をすることをお勧めします。
所得控除は適用される控除の種類や金額が多ければ多いほど節税効果があります。
そして、それを申請しなければその分税金を多く支払うことになるので、もれなく適用を受けることが重要です。
HR-GET編集部
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