【企業担当者向け】源泉徴収票って?おさえておきたい基礎知識
年末は人事労務ご担当者様にとって非常に忙しく大変な時期であり、その中で期限までに源泉徴収票を作成しなければなりません。
今回は源泉徴収票の手続きや算出方法についてあらためて詳しくご説明します。ぜひ業務にお役立てください。
【目次】
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1.源泉徴収
源泉徴収とは、給与等を従業員に支払う際に、事業者が所得税等を支払い金額からあらかじめ差し引き、従業員にかわって納税する仕組みのことです。
2. 源泉徴収票
源泉徴収票は、一年間どのくらい給料を支払って、どのくらい税金を徴収したのかが記載された紙のことを指します。源泉徴収票は従業員ごとに、主に以下のタイミングで作成されます。
【源泉徴収票が作成されるタイミング】
① 従業員が退職した時
源泉徴収票は、従業員が退職した際に、1月1日から退職時点までの給与に基づいて作成・発行されます。源泉徴収票は、その従業員が確定申告する際や、次の職場での年末調整の際に使用されます。
② 年末調整の計算後
年末調整の計算が終わったら、源泉徴収票を発行する必要があります。源泉徴収票は、年末調整の最終報告書のような役割を果たすのです。
源泉徴収票は税務署と従業員に一部ずつ、市区町村に2部提出することになるため、会社は従業員一人に対して合計4枚源泉徴収票を作成することになります。
3. 源泉徴収票の源泉所得税について
給与明細書や源泉徴収票などを見ると、源泉所得税という文字が書かれています。源泉所得税は、会社が従業員から源泉徴収し、従業員本人に代わって納める所得税を指しています。
源泉所得税が必要となる所得税の種類はいろいろあり、この中で企業活動に関係するものは、従業員に対する給与や賞与、退職金、そして、税理士や顧問弁護士に支払う報酬などがあります。
また、外部の業者に仕事を依頼した場合、その業者が法人であれば源泉所得税の徴収はいりません。しかし、個人の場合は源泉所得税の徴収が必要となる可能性があります。他にも、年金や利子、配当などにも源泉所得税の徴収が必要となります。
源泉所得税の税率は一定ではなく、給与や賞与、退職金などによって計算方法が異なるので注意が必要です。
【給与の源泉所得税の計算方法】
次に、給与所得の源泉徴収税額表を参照し、源泉所得税を求めていきます。
源泉徴収票には、甲欄と乙欄、丙欄があります。甲欄は、給与所得者の扶養控除等申告書を提出した社員が適用となります。乙欄は、給与所得者の扶養控除等申告書を提出しない社員が適用となります。
丙欄は、日雇いなどの従業員が適用となります。
【甲欄に該当する従業員の算出方法】
2、 従業員の社会保険料等を除いた給与額を確認する。
3、 該当年度の給与所得の源泉徴収税額表の甲欄から1で確認した扶養人数に該当する列を確認する。
4、 その月の社会保険料等控除後の給与等の金額欄から2で確認した給与額が含まれる行を確認する。
5、 3で確認した列と交わる数字がその月の源泉徴収税額となる。
【乙欄に該当する従業員の算出方法】
2、 提出がない場合は、その月の社会保険料等控除後の給与等の金額欄からあてはまる欄を確認する。乙欄に記載された税額が源泉所得税となる。
3、 提出がある場合は、その月の社会保険料等控除後の給与等の金額欄からあてはまる欄を確認する。乙欄に記載された税額から、従たる給与についての扶養控除等申告書に記された扶養家族一人につき1,610円を差し引いた金額が源泉所得税となる。
4. 源泉徴収票の再発行
源泉徴収票を紛失した場合、給与を支払った会社だけが源泉徴収票を発行することができます。源泉徴収票を発行することは会社の義務なので、再発行も義務となるのです。
【源泉徴収と年末調整の違い】
納税の額は、自分の収入や税金を計算して決めます。しかし、税務署で手続きする際に混乱する可能性があるので、それを予防するために、会社が所得税を給与からあらかじめ差し引き、納税する源泉徴収制度が導入されました。
所得税は、1年間の所得に対して税金の額が決められています。年末調整は、その年の1月から12月までに支払われた給与総額から差し引かれた所得税を清算する役割を果たしています。
年末調整をすることで、最終的な清算が終了すると、所得税の納税は完了です。
5. まとめ
源泉徴収票について詳しく理解できましたか?
源泉徴収票は、会社が従業員に代わって所得税を納め、それを従業員に知らせるための重要な書類となります。
紛失したり、控除額を間違えてしまったりすると、従業員が不利益を被る可能性があります。注意して作成することが大切です。また、従業員は源泉徴収票を紛失しないように気を付けましょう。
HR-GET編集部
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