2025年問題と健康経営

2025年問題と健康経営

2025年問題の件は、前回のコラムで詳しく説明しました。

参考記事:2025年問題と社労士

少子高齢化による様々な問題を指摘しましたが、企業の問題としては、主に人材不足による採用難と、これ以上人を失う事のないように離職防止に対する環境整備などをしましょうと話をしました。

今回は、その具体策の一つとして「健康経営」「健康経営優良法人」の説明をしたいと思います。

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健康経営とは

「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。

企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます。


健康経営は、日本再興戦略、未来投資戦略に位置づけられた「国民の健康寿命の延伸」に関する取り組みの一つです。

「健康経営」とは、経済産業省が推進しているもので、令和6年3月のレポートには、下記のように述べています。

生産年齢人口の割合は、2020年から2050年で、59%から52%に減少。健康寿命75歳を実現する中で、65歳から74歳も生産年齢人口に含むこととした場合、2050年の生産年齢人口は、全体の約66%(約15%増加)になり、2023年時点よりも高い割合になる。

また、健康経営の調査を見ると、2014年の時点では、健康経営推進の最高責任者が経営トップだったのが5.3%でしたが、2023年にはなんと83.7%まで上昇しており、ここ10年間で、従業員に対する健康管理が経営問題と認識するトップが急激に増えたことがうかがえます。

出典:経済産業省「健康経営」

健康経営優良法人認定制度とは

健康経営優良法人認定制度とは、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を「見える化」することで、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから評価を受けることができる環境を整備することを目的に、2016年度に経済産業省が創設した制度です。

健康・医療新産業協議会健康投資ワーキンググループ(日本健康会議健康経営・健康宣言10万社WG合同開催)において定められた評価基準に基づき、日本健康会議が「健康経営優良法人」を認定します。


評価項目として、「健康経営の方針等の社内外への発信」「健康づくり責任者の役職」「産業医・保険師の関与」「健康経営の具体的な推進計画」「従業員の健康診断の実施(受診率100%)」「50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施」「食生活の改善に向けた取り組み」「運動機会の増進に向けた取り組み」「長時間労働者への対応に関する取り組み」「メンタルヘルス不調者への対応に関する取り組み」などがあります。

参照:経済産業省「健康経営優良法人認定制度」

健康経営で他社と差別化

健康経営とは、簡単に言うと、社員をより大事にしてくれる経営と言うことが出来ます。

経済産業省としては、将来的には75歳まで健康で働けるような社会を実現することを目標としており、企業側も昨今の人材難を解消するために、年々、健康経営優良法人認定制度に申請している企業が増えていっています。昨年度は、約1万7000社が申請しました。

既にその企業で働いている人にとっても自分の会社が健康経営をしてくれれば非常に助かりますし、求職者にとっても、健康経営をしており、更に健康経営優良法人に認定されていれば、働きやすい会社として入社できます。

もちろん、親から見ても子供が入社する企業が健康経営優良法人の方が安心して任せることが出来るわけです。

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 〈作者紹介〉

地域ビジネスマーケティングコンサル青空株式会社
代表取締役 青木義郎
〇中小企業経営コンサル 〇開業支援コンサル
人材採用と人材教育の表裏一体の人材戦略に力を入れることで経営戦略を軌道に乗せることを得意としている。

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