社会保険労務士 開業準備に必要なもの①資金と融資

社会保険労務士 開業準備に必要なもの①資金と融資

 社労士試験に合格して、いよいよ独立開業をしようとする前に、急いで失敗するよりも事前にしっかりと準備する必要があります。

開業準備には様々なものがあります。資金的なもの、開業手続き的なもの、事務所や備品的なもの、人脈的なもの、営業・マーケティング的なもの、商品・サービス的なもの、メンタル的なもの、などなど実に多くの準備が必要になります。

これらを初期の段階で完璧に準備することは非常に難しい事ですが、意識しておくことが大事になってきます。

社労法務システム+Esia-Zero(イージア・ゼロ)について

資金的な準備

社労士一本で独立開業をするとなると、軌道に乗る為に最低でも半年から1年間はかかります。そうなると、それまでに必要となる生活資金を用意しておかなければなりません。

例えば、毎月30万円生活費がかかるとしたら最低でも180万円。余裕を見るならば360万円はあったほうが安心でしょう。また、※前回のコラムでも説明しましたが、開業資金には100万円程度はかかります。

※参考記事:社労士開業費用は?

その他、毎月の運転資金として事務所費(自宅で開業するなら不要)、光熱費、通信費、Faxのリース代、移動費など、10万円程度は見ておく必要があります。運転資金を1年間分と考えると120万円必要になりますので、合計費用として500~600万円は準備しておいた方がいいでしょう。

融資を検討する

すべてを自己資金で準備する場合が難しい場合には、融資を検討するといいでしょう。

融資を受ける先としては、メガバンク、地方銀行、信用金庫、政府系銀行など、様々ありますが、創業融資となると事業としての実績がないために、メガバンクはなかなか希望通りの融資をしてくれないことがあります。

初期段階では、地元の地方銀行や信用金庫が親身となって相談に乗ってくれますが、一番のお勧めは政府系銀行の日本政策金融公庫です。日本政策金融公庫は、創業者向けに新創業融資制度というものがあり、創業計画書が必要となりますが、原則は無担保・無保証で融資を受けることが出来ます。

事業用の口座を開設する

個人事業主として開業するとしても、個人の口座と仕事の口座を分けた方がいいでしょう。お金の管理をしっかりすることで、自分の事業の収支がプラスなのかマイナスなのかを判断できるようになります。

また、確定申告をするときに自分でするにしろ、税理士に依頼するにしろ、口座が分かれていた方がスムーズです。更に、クライアントに請求書を出す際に口座が地方銀行や信用金庫などの地元の企業よりも、メガバンクの方がお取引しやすい場合もあります。

副業を検討する

開業資金の事を考えると、一気にハードルが高くなるように感じることがあります。500~600万円を貯めるとなると数年かかりますし、無担保・無保証と言え、お金を借りることに抵抗がある人が少なくありません。開業したからと言って、実際に1年以内に成功する保障は何もありません。

そこで、ここ最近増えているのが、副業と言う働き方です。最近は企業でも副業を認めることが多くなってきました。社労士としての仕事の軌道が乗るまで、副業として働くという選択肢もあります。またアルバイトなどで必要最低限の生活費を稼ぎながら、社労士としての仕事を受注していくという方法もあります。

 〈作者紹介〉

地域ビジネスマーケティングコンサル青空株式会社
代表取締役 青木義郎
〇中小企業経営コンサル 〇開業支援コンサル
人材採用と人材教育の表裏一体の人材戦略に力を入れることで経営戦略を軌道に乗せることを得意としている。

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