【社労士に聞く】介護休暇に取得制限を設けることは違法か
労務管理Q&A
<質問>所定労働時間によって、介護休暇に取得制限を設けることは違法になりますか?
また、「所定労働時間が4時間以下の者は1日単位とする」というように、弊社の就業規則では介護休暇の取得方法に制限を設けておりますが、こちらは変更をしなければ法違反となりますか。
<社労士の答え>
本改正はすべての労働者が1時間の整数倍で介護休暇を取得できるようになるものです。所定労働時間や役職によって取得できる制度に差を設けたり、会社として取得できる時間の最小単位を1時間以上に制限することはできません。
育児・介護休業法施行規則等が改定され、介護休暇の時間単位での取得が令和3年1月1日より施行
時間単位で介護休暇を取得する場合、休暇1日分となる時間数は1日の所定労働時間数となります。1日の所定労働時間数に1時間に満たない端数がある場合は1時間に切り上げます。1日の所定労働時間数が一定でない(シフト制など)場合は、1年間における1日の平均所定労働時間数を1日分の時間数とし、端数はやはり1時間に切り上げます。
半日単位取得の取扱い
省令から半日単位取得の条文が削除されたため、就業規則からも半日単位取得は削除することになります。労働者の手間を省く目的で、半日単位の時間数や、午前・午後で異なる半日単位の時間数を目安として示すことは可能ですが、あくまでも労働者の求める時間数の取得を認めることになります。
就業時間の途中から時間単位の休暇を取得し就業時間の途中に再び戻る、いわゆる「中抜け」について
法令では「中抜けなし」の時間単位休暇を認める内容ですが、法を上回る制度として「中抜けあり」の休暇取得を認める配慮が求められています。
人事の視点:相談しやすい環境を整えましょう
介護離職となる前に、会社から介護休暇に関する情報を発信し、相談しやすい環境をつくることが今後不可欠といえるでしょう。
筆者紹介
人事部サポートSR(https://o-sr.co.jp/ )