1on1ミーティングとは?人事評価制度の運用のカギ
1on1ミーティングはなぜ必要か
人事評価制度を運用するにあたって、定期的な実行支援は不可欠です。1on1ミーティングの優先順位を下げたことで、人事評価制度の運用が失敗に終わったという話をたくさん聞きます。なぜそうなってしまうのでしょうか。まずは、人事評価制度の運用が失敗する原因について、4つご紹介します。
人事評価制度の運用が失敗する原因とは
多くのご相談者様から、人事評価制度の運用がうまくいかない理由を詳しく伺っていくと、その原因は4つに絞られることが分かりました。
1つ目:運用を意識してつくられていない
運用しにくいものをつくってしまえば、運用がうまくいかないのは当然かもしれません。
2つ目:経営者が制度に対して納得していない
3つ目:スタッフに納得感がない
4つ目:運用にかける時間が少ない
人事評価制度の運用を成功させるために必要なこと
原因 | 対策 |
運用を意識してつくられていない |
・運用を意識してつくる |
経営者が制度に対して納得していない |
・納得いくまで考え抜く |
スタッフに納得感がない |
・人事評価制度の目的を人材育成にする |
運用にかける時間が少ない | ・毎月1回、1時間程度、1on1ミーティングの時間を設ける ・加えて、評価決定時はフィードバックの時間をしっかりと設けて実施する |
なぜ1on1ミーティングが必要なのか?
それではここから詳しく、1on1ミーティングの必要性についてお伝えいたします。人事評価制度の運用は、「スタッフ自身が成長目標や成果目標を掲げ、それを実現するために行動し、その結果を評価する」というものが一般的です。つまりスタッフは、人事評価制度の運用中、目標に対して立ち向かい、大小様々な課題を乗り越えていくことになります。そのうえ、人間関係の悩みやキャリア上の不安など、様々なことがスタッフの頭の中をめぐります。
そんな時、求められるのが「解決を支援する時間」と「解決を支援する存在」です。1on1ミーティングは、「解決を支援する時間」と「解決を支援する存在」を提供します。この時間の主役は、マネジャーではありません。この時間の主役は、間違いなく「スタッフ」になります。マネジャーはスタッフの話に真摯に耳を傾け、「課題解決の方法」を共に考えます。「面倒くさい」と思うかもしれませんし、「忙しいから、そんな時間取れない」と感じるかもしれません。しかし、そうして1on1ミーティングの優先順位を下げたことで、人事評価制度の運用が失敗に終わったという話をたくさん聞きます。それだけではなく、目先の問題への対応に追われ、スタッフからの質問攻めに追われ、マネジャーが本来出すべき成果を出せずに苦しんでいるという話まで聞こえてきます。これらの問題を解決するためには、1on1ミーティングの優先順位を上げるべきなのです。そうすることで、人事評価制度の運用の成功はもちろん、マネジメントの成功をも導いてくれる強力な仕組みを手に入れることができるのです。
1on1ミーティングを開催するコツとは
ここまでの記事を読んで、いざ1on1ミーティングをしようとしても「どうすればいいか分からない」「1on1ミーティングにトライしたことがあるが上手くいかなかった」などの感想をお持ちの人もいるでしょう。そこで、ここからは1on1ミーティングのコツをご紹介します。
■基本スタイル
項目 | 一般的な面談 | 1on1 |
目的 | 業務の進捗確認と指示 人事の評価 課題の解決 教育の「教」 |
目標の共有 |
内容 | 評価 指導 叱咤激励 |
目標へのコミットメント 目標達成への応援 成長へのアドバイス |
関係性 | 上下関係 一方的なコミュニケーション |
信頼関係 |
雰囲気 | 緊張感が漂う雰囲気 | オープンで話しやすい雰囲気 |
主役 | 上司、会社のために開催 | スタッフのために開催 |
社員のホンネ | 面倒なもの | 楽しみなもの |
上記のコツを参考に、ぜひ1on1ミーティングにトライしてみてください。必ずいい変化を感じることができると思います。
まとめ
繰り返しになりますが、人事評価制度は、うまく活用できれば人が成長し会社の戦力向上につながります。また、スタッフの満足度が上がり、スタッフの定着率も上昇。その結果、業績は向上し優秀な人材が辞めない良い会社、優秀な人材が集まる会社をつくることにもつながるでしょう。これを実現させるには、1on1ミーティングをするという時間への投資が必要です。あなたの会社では、人事評価制度の運用において、正しい時間を投資できているでしょうか? 本日は以上となります。ご一読いただきましてありがとうございました。